物質の状態と状態変化について 状態図の理解

理論化学

こんにちは。Horyです。

物質には固体・液体・気体の3つの状態があります。

今回の記事では物質がどのような要因により状態変化をするかの説明と状態図に関して詳しく解説します。

今回も頑張りましょう。

物質の三態と状態の操作

どのような物質にも必ず固体・液体・気体の状態があります。

物質の状態は以下の3つの要因により決められています。

  • 圧力・・・コントロール可能
  • 温度・・・コントロール可能
  • 分子間力・・・コントロール不可能

圧力と温度をコントロールすることで間接的に分子間力をもコントロールして物質の状態を意のままに操るということを我々はできます。

ここで、物質の状態や状態変化の名称を図で示します。

図からも分かるように物質が固体→液体→気体と変化するに従って体積が増加(隙間が開く)します。

ただし、H2O(水)のみは固体→液体で体積が減少します。

物質の状態と状態図

以下の操作をすることを考えます。

  • 温度一定で圧力を下げる
  • 圧力を一定で温度上げる

これを行うとどうなるかは今までの記事の内容を復習していれば説明できると思いますが念のために解説します。

  • 温度一定で圧力を下げる
    • 圧力を下げると分子間力が小さくなる
    • 粒子の運動が引力によって邪魔されない
    • だから気→液→固(気→固)に変化する
  • 圧力を一定で温度を上げる
    • 温度を上げると粒子の熱運動が大きくなる
    • 熱運動が大きくなると粒子の速度が増加する
    • 分子間力を振り切れる
    • だから気→液→固(気→固)に変化する

どちらにも分子間力という言葉が出てきます。分子間力を間接的にコントロールするとはこういうことです。

ここで、水と水以外の状態図を実際に示します(手描きで図が多少汚いのは許してください)。

  • 水以外の状態図→固と液・液と気の境界線は右肩上がり
  • 水→水だけは固と液の境界は右肩下がり

状態変化と日常の現象

状態変化を日常の現象と紐づけて解説します。

  • 沸点について
    • 温度一定で圧力増加→物質の沸点は高くなる
    • 山の山頂の圧力が低い地点で湯を沸かすと100℃以下で沸騰
    • 人間が宇宙に生身で放り出されると血液が沸騰(真空=圧力0)
  • 融点について
    • 温度一定で圧力増加
    • →水以外の物質の融点は高くなる
    • →水の融点は低くなる

他にも状態変化の日常にも応用はあるので紹介します。

  • フィギアスケート (水の状態図)
    • スケートのブレードが氷に圧力
    • 水に圧力がかかると融点が低くなり氷が解ける
    • 氷→水になることで抵抗(摩擦)が減少する
    • だからスケートで氷上を滑れる
  • フリーズドライ
    • 凍らせて固体にする
    • 圧力を低くする
    • 氷→水蒸気にする(昇華)
    • 冷たい状態で乾燥させて解凍するから水分で生ものが痛まない
  • 超臨界状態
    • 一定以上の高温・高圧にすると物質が固体でも液体でも気体でもなくなる
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