図形の中に無限の三角形を作る極限

数学Ⅲ

こんにちは。horyです。

前記の記事では1つの円に無限個の円を外接・内接させる極限に取り組みました。かなり難しい問題だったと思います。記事はこちらですのでよろしければ読んでおいてください。

今回の記事は図形の中に無限の三角形を作る極限に関する問題です。前回の記事よりも簡単なので安心してください。問題は全部で3題です。

前回の記事で言い忘れていたことですが、図形の計量問題でまずやらなければならないこと「辺か角度のどちらを変数に取るか」これを考えることです。

今回も頑張りましょう。

問題1 円の中に無限の三角形を作る問題

以下に示すのは円の中に無限の三角形を作る問題です。

この問題を例に解説します。問題文が長く読むのに苦労しますが、極限の文章題はこんなの当たり前なので頑張るしかないです。

問題を解く前の下準備

問題を解く前の下準備です。まず、図を描きましょう。

どこから手をつけて良いか難しい問題ですが、△の外接円と全ての角度の情報は判明しているので正弦定理が使えます。つまり、△の辺の長さを求めることができるので△の面積は求めることができそうです。

ただし、面積で漸化式を作ることが難しそうなので角度がどうなるかに視点を置いて考えることが効果的です。

正弦定理に関する記事はこちらです。

また、弧の中点に点を取ることから以下の2つのことを利用できそうです。

  • 円周角の大きさは中心角の半分(中心角の定理)
  • 中点であることと、弧の長さと角度の大きさ
  • 一周すると360°

問題1 解答・解説

正弦定理を使います。

三角形の面積を求めます。

面積が角度でしか表すことができないので角度がどういう方向に向かっていくのかを議論します。ここでペンが止まる人がほとんどです。

中心角の定理より以下のことが成立します。

中点に点を取るので弧の長さと角度の大きさについて以下のことが成立します。

一周すると360°になるので・・・

これにより角度の漸化式を作ることができました。

隣り合う数列の漸化式で角度に関する数列の一般項を求めます。やり方はこちらの記事です。

よって無限回の試行を繰り返すと正三角形になります。

問題2 三角形の中に無限の三角形を作る極限

以下に示すのは三角形の中に無限の三角形を作る問題です。

この問題を例に解説します。

問題を解く前の下準備

問題を解く前の下準備です。まずは図を描きましょう。

試行によって得られる正三角形の一辺の長さと1つ前の正三角形の一辺の長さを漸化式にできれば勝てそうです。

問題2 解答・解説

問題2の解答・解説です。

余弦定理を用いて試行により作った正三角形の一辺の長さを求めます。余弦定理の記事はこちらです。

このような等比数列で面積を表すことができます、級数を求めるので公比が収束する数かどうかを考えます。

以上により求めることができました。

問題3 扇形の中に無限の三角形を作る問題

以下に示すのは扇形に無限の三角形を作る問題です。

この問題を例に解説します。

問題を解く前の下準備

問題を解く前の下準備です。まず、図を描きましょう。

△の面積を求めるには以下の情報が必要です。

  • AnBn+1の長さ
  • BnBn+1の長さ

この2つの長さが求めれば直角三角形の面積公式で面積を求めれます。

辺の比から漸化式を作るのが問題を解くポイントです。

問題3 解答・解説

問題3の解答・解説です。

平行であることと、扇形ということを利用して辺の比に関して以下のが成立します。

よって辺の長さは公比が「cosθ」の等比数列となります。

また、直角三角形と言うことから、sinとcosの定義を用いて・・・

以上から・・・

三角形の面積は等比数列になりました。中心角の範囲からこの数列の和は収束します。

タイトルとURLをコピーしました