こんにちは。horyです。
今回は領域に関する基礎事項と不等式の表す領域の図形を図示する重要問題について簡単に説明します。
注意すべき重要問題については絶対に理解してほしいです。多くの学生が解けない問題の1つになります(問題は最後に紹介します)。
領域の表す図形
領域を以下のカテゴリーに分けて個別に解説します。
- 関数に関する不等式の領域
- 円に関する不等式の領域
- 領域の共通部分と和集合
領域の表す図形 (関数)
関数についての不等式が表す図形について紹介します。
関数をy=f(x)とします。以下に3つの図形について考えます。

図形を以下に図示します。青い斜線部が求める領域です。

ちなみに、≧や≦のときは境界を含みます。境界を含むか含まないかはかなり重要になるので注意すべきです。
領域の表す図形 (円)
円について、不等式の表す図形について紹介します。
実数a,b,rとして、円に関する以下の3つの図形について考えます。

図形を以下に示します。青い斜線部が求める図形です。

二つの領域の表す領域 (共通部分・和集合)
領域AとBを以下のように示します(青い斜線部)。

共通部分と和集合は以下のような図形になります(青い斜線部)。

図によっては共通部分が空集合となるときもあるので注意が必要です。
領域に関する重要問題
以下は領域に関する重要問題です。
間違う人が多すぎるので、原理も含めて必ず理解してください。

(ⅰ)と(ⅱ)が同じ図形になると考えた人は危機感を持った方がいいです。
(ⅰ)と(ⅱ)の答えは全く違います。
(ⅰ)と(ⅱ)の違いを考えてみましょう。
- (ⅰ)は文字の「掛け算」・「割り算」の作業がない
- (ⅱ) は文字の「掛け算」・「割り算」の作業を挟む
不等式の解き方に関する記事でも説明しましたが、負の数を掛ける・割る作業を挟むと不等式の向きは逆転します。また、割り算のルールにより0で割ることはできません。
それでは、問題を解いていきましょう。
(ⅰ)解答・解説
文字を「掛ける」・「割る」作業を挟まないので不等式の向きが逆転することはありません。
以下は解答です。下の図の青い斜線部です(境界は含みません)。

(ⅱ)解答・解説
文字を「掛ける」・「割る」作業を挟みます。
つまり、xの値によって不等式の向きを変えなければなりません。

以上から求める領域は以下の図の通りです。
