電気抵抗とオームの法則 原理と本質の理解

電磁気学

こんにちは。Horyです。

前回の記事では電流の正体と連続体近似について学びました。

この記事で電流の正体は電荷の流れであり、時間変化する電荷を時間で微分したものであることも学びました。

今回の記事では電気抵抗とオームの法則について解説します。
皆さんは中学校でオームの法則をV=RIというように暗記していたと思いますが、なぜそうなるかをこの式で解説します。

今回も頑張りましょう。

抵抗の正体

まず、電流の正体は「電荷の流れ」であることは前回の記事でも説明しています。

電気抵抗は「電荷の流れを妨げる⇔電流が流れにくくなる」要素のことを言います。

ここで、以下に示すような導線中の電気量eを持った電荷一つを考えてみましょう。

導線中の電荷は以下の二つの力を受けます。

  • クーロン力eE・・・運動方向と逆向き
  • 抵抗力kv・・・速度に比例する (運動方向と逆向き)

これを用いて運動方程式を立ててみます。

この形の運動方程式って見たことありますよね。

十分に時間がたつと電荷は等速運動しているとみなせます。

オームの法則の原理

ここで、何度も言っているようでしつこいと思いますが、「電流の正体は電荷の流れ」です。

上で示した導線の長さL, 断面積をSで一定とみなします。この導線内を電荷が単位体積当たりn個、速度v (一定とみなす)で運動しているとします。

時間がt経過後に断面を通過する電荷の量はQ=en(svt)と表せるので・・・
svtは時間tで通過する体積です。

  • I・・・電流;正体は電荷の流れ
  • v・・・電荷の速度 (終端速度で一定)
  • E・・・導線内の電場
  • V・・・抵抗を持つ導線における電位差 (位置エネルギーの定義)
  • ρ・・・電気抵抗率 (電流の流れにくさ)
  • ρの逆数・・・電気伝導率(電流の流れやすさ)
  • R・・・電気抵抗
  • V=RI・・・オームの法則

電荷が抵抗力にされる仕事

抵抗がある導線内を電荷が上の図における位置x=0~Lまで動く間に電荷が抵抗力にされる仕事を求めます。

仕事の定義を用いて求めます。

ただ、電荷は導線内に1個だけではありません。無数に存在します。

全ての電荷(N個あるとして)について、される仕事の和を求めてみましょう。

  • 赤い部分・・・連続体近似 (前回の記事)
  • 青い部分・・・電流の正体は電荷の流れ/オームの法則
  • 緑の部分・・・抵抗で単位時間あたりに発生する熱;U

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