こんにちは。horyです。
前回の記事では分数関数の微分や変曲点に関する点対称性を利用した問題に取り組みました。
今回の記事では陰関数の微分を利用してグラフを描く問題に取り組みます。陰関数の微分に関する記事はこちらです。まだ読んでない人は読んでおいてください。
今回も頑張りましょう。
問題 陰関数の微分
以下はこの記事で取り組む陰関数の微分に関する問題です。

この問題を例に解説します。
ステップ① 定義域の調査
まずは、定義域の調査です。
問題文に定義域に関する明確な記述はありませんが、式①をよく見ると・・・

ステップ② 対称性と周期性
対称性について考えます。絶対値を考えると・・・

上の式からこのグラフは原点についてもx軸についても対称であると言えます。
だから、微分の時の範囲を考えると・・・

上の範囲のみを考えればいいです。つまり、第一象限のみ考えればいいです。
ステップ③ 導関数と凹凸
ステップ③で微分と二回微分を使います。陰関数の微分を使います。

以上により増減と凹凸に関して調べることができました。
ステップ④ 増減表
ステップ③のことを踏まえて増減表を書きます。第一象限のみでかまいません。

ステップ⑥ グラフ
極限や漸近線はないのでステップ⑤を省いてグラフを描きます。

線分の長さ
曲線の接線が切り取る線分の長さを求めます。
- 接点の設定
- 接線の方程式を求める

余談
以下は余談ですが、この関数はアステロイドと呼ばれる曲線です。
定円の内側に円を内接させて、内接円を定円に沿って転がしたときに内接円の中心が描く軌跡です。

また、今回は肩の数字が「2/3」でしたが、肩の数字を変えるとどうでしょうか・・・
第一象限のみを考えてグラフを描いてみます。


そして面白いことが、接線が切り取る長さが一定となるのは「r=2/3」の時のみです。これも頭に入れておくと得します。