鉛直方向での単振動 問題の攻略

力学

こんにちは。Horyです。

前回の記事では単振動の最も基本的な問題として水平面でのバネにおける単振動の問題に取り組みました。

今回の記事では鉛直方向における単振動の問題に取り組みます。

もちろんですが、以下の記事を読んだこと前提で問題に取り組みますので、まだ読んでない人は読んでおいてください。

今回も頑張りましょう。

鉛直方向での単振動

以下に示すのは鉛直方向での単振動の問題です。

この問題を例に解説します。まずは、状況を図に示します。

(1)解答・解説

(1)の解答・解説です。バネの縮み(スカラー)を|l|とします(|l|>0)。

バネの伸びや縮みは距離なので正です。絶対値をつけます。

物体にかかる重力とバネが物体に及ぼす力が釣り合っているのでこれを利用します。

(2)解答・解説

  • バネにかかる力・・・赤色の矢印
  • 物体にかかる力・・・青色の矢印
  • 物体にかかる力
  • 地球が物体を引く重力・・・下向き
  • バネが物体に及ぼす力・・・上向き
  • 二つの力は釣り合っている
  • バネにかかる力
  • 物体がバネに及ぼす力・・・下向き
  • 水平面がバネに及ぼす力・・・上向き
  • 二つの力は釣り合っている
  • バネが物体に及ぼす力
  • 物体がバネに及ぼす力
  • 作用反作用の法則
  • 水平面がバネに及ぼす力
  • バネが水平面に及ぼす力(図には書いてません)
  • 作用反作用の法則

(3)解答・解説

この問題についてですが、釣り合いの位置を原点としたときはまだ簡単ですが、バネの自然長を原点としたときが非常に厄介です。間違う人がかなり多いです。

でも、やってることは基準点を変えてるだけで運動そのものが変化してるわけではありません。こんなの単なる座標の平行移動と思えば大したことないです。

個別に解説します。

釣り合いの位置を原点

釣り合いの位置を原点とします。初期条件は以下のように書けます。

ただし、位置・速度・加速度は全てベクトルで表示します。

以下に分かりやすいように図も示します。

ここで、初期条件を代入してC1とC2を求めていきます。

これを上の式に代入すれば位置・速度・加速度を求めれます。

以上により求めることができました。全てベクトル量であることに注意です。

自然長の位置を原点

自然長を原点とします。

初期条件は以下のように書けます。

ただし、位置・速度・加速度は全てベクトルで表示します。

この初期条件を用いて問題を解きます。

以下に分かりやすいように図も示します。

このまま、釣り合いの位置が原点の時と同様に解きたいですが、位置のみ注意が必要です。

なぜなら、自然長が原点で釣り合いの位置はl(<0)です。つまり、x=l(<0)を中心とした単振動を行います。

後は釣り合いの位置が原点の時と同様に解けばいいです。

初期条件を代入してC1とC2を求めていきます。

これを上の式に代入すれば位置・速度・加速度を求めれます。

以上により求めることができました。全てベクトル量であることに注意です。

上の答えを見ると、位置に関しては釣り合いの位置を原点とした式を「l=-mg/k」だけ平行移動した式とも言えます。

絶対に勘違いしてほしくないのは自然長でも釣り合いの位置が原点であっても座標における基準点を変えているだけであって運動自体は同じ運動をしているということです。

よく勘違いする人は「位置の関数が違うから同じ運動でない」ということを言いますが違います。

基準点が違うがために位置の関数が一緒じゃないというだけで運動自体は全く一緒です。だから、速度と加速度の式は一緒です(実際、位置の関数を微分してみても速度と加速度の式になります。

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