こんにちは。Horyです。
前回の記事では複素数平面について、数学Ⅱの内容を複数しつつ新しいことを学びました。
今回の記事では複素数平面と極形式について基礎事項をまとめようと思います。極形式は複素数平面の分野においてはかなり重要な内容になるので必ず理解していただきたいです。
今回も頑張りましょう。
極形式とは・・・
まず、極形式とは複素数の表し方の1つのことです。
ある複素数zについて、絶対値と偏角を以下のように考えます。また、図を示します。



つまり、複素数の極形式とは、複素数を絶対値と実軸となす偏角で表す方法のことです。以下に例を示します。

このように考えると、複素数の極形式表示は三角関数の合成と似ている部分がありますね。
極形式での計算における性質
次に説明するのは極形式の計算における重要性質です。

加法定理や対称性を利用した計算が極形式でも可能です。
- 極形式の共役は実軸対称
- 極形式の積は絶対値の積と偏角の和
- 極形式の商は絶対値の商と偏角の差
上のことは意識しておきましょう。
ド・モアブルの定理
これも非常に重要な定理の1つです。これは、極形式のn乗(nは整数)のときに成立する定理です。
ド・モアブルの定理の証明に関しては数学的帰納法の記事でもやったのでそちらを参照してください。

上の式における赤い部分の変形が分からない場合は前回の記事の内容を読んでください。
まぁ、ド・モアブルの定理は「極形式のn乗は絶対値のn乗と偏角のn倍」このように意識してください。
偏角(arg)の計算性質
偏角の計算性質について、以下のことが性質します。

偏角についても極形式の計算と同様なことが言えます。
これは、極形式の計算性質を考えれば当たり前のことですが、もし、理解できないときはzやwを自分が知っている角度の複素数に置き換えて計算してみてください。
- 偏角の共役は実軸対称
- 偏角の積は偏角の和
- 偏角の商は偏角の差