こんにちは。Horyです。
前回の記事では複素数平面における基礎事項や極形式について話しました。
今回の記事では複素数と図形の関係についてn乗根や点の回転・拡大・縮小に焦点を当てて話していこうと考えています。
複素数のn乗根について・・・
複素数のn乗根について簡単に解説します。ただし、nは正の整数とします。

ここで、偏角θを整数nで表してみましょう。

結局、円を一周するまでにn個の点ができます。つまり、複素数平面上でaのn乗根を表すn個の点は中心が原点となる半径が「rの1/n乗根」の円周をn等分していると言えます。
複素数平面での点の位置関係
複素数平面上での点の位置関係について以下のカテゴリーに分けて簡単に話します。
- 点の一致
- 二点間の距離
- 内分と外分
- 点の拡大・縮小・回転
これらのカテゴリーに分けて話します。
点の一致
まずは、点の一致についてです。2つの複素数zとwが一致するなら以下の式が成立します。

まぁ、これは分かりますよね。
二点間の距離
二点間の距離についてです。2つの複素数zwを定義して二点間の長さを考えます。

上の式の赤い部分が一致しているので複素数平面でも座標平面と同様に長さが定義できます。
複素数の内分と外分
複素数平面上での線分の内分や外分も座標平面上での線分の内分や外分と同様に定義できます。ここで、点A,B,zを複素数平面の複素数とします。

点の回転・拡大・縮小
複素数平面上の点Aと異なる2点B,B’について、以下に図を示します。

上の図は「点Aを中心としてBをr倍に拡大(縮小)して反時計回りに角度θだけ回転させた点がB’」と言えますね。このことを式で表してみます。

以下に式を導出する手順を示します。
- 点Aを原点に平行移動
- 平行移動した点B-Aを式で示す
- 平行移動した点B’-Aを式で示す

意識しなければならない点は以下のことです。
- 何倍に拡大・何分の一に縮小
- どの点を中心にして時計回りor反時計回りのどちらにどれだけ回す
- 二直線のなす角度は?
また、このことは以下の図に示すような場合でも同様なことが言えます。


回転角度について・・・
続いて、複素数の回転における偏角についてです。

先ほど証明したことを利用します。注意してほしいのがここにおける偏角というのはベクトルABをベクトルAB’の向きに回す角度のことです。

意識しなければならない点は以下のことです。
- 分子・・・回転した後の点
- 分母・・・回転する前の点
- 回転する中心はA (分母にも分子にも登場)