糖の縮合とグリコシド結合 原理の理解

天然有機物

こんにちは。Horyです。

前回の記事までで高校化学で登場する全ての単糖を紹介しました。

今回の記事から二糖や多糖を紹介しますが、その前段階として、糖の縮合の原理に関して解説します。

二糖や多糖は単糖が縮合して生成されるモノなので、これを理解していないと二糖や多糖を完全に理解することは出来ません。

今回も頑張りましょう。

糖の縮合

糖の縮合に関して簡単に図でまとめます。

縮合とは、水分子が1つ抜けて合体した状態のことを言います(二糖の場合)。

6単糖=C6(H2O)6の分子量が180なので、二糖の分子量は(180×2 – 18=342)です。これは覚えておいた方が良いです。

糖が縮合してつなぎ目に出来る「-O-」の結合のことをグリコシド結合と言います。

グリコシド結合がどのように出来るかを原理から解説します。

  • 単糖のOが電子を大量に保有
  • 大量の電子につられて水素イオンがOHに付属する
  • 単糖から水(H2O)が離脱する (ヘミアセタール由来のOHが丸ごと抜ける)
  • 大量に電子を保有したOが抜けたのでCが正電荷を帯びる
  • 正電荷を帯びたCに他の単糖のOHが引きつけられる
  • 別の糖のOHからHがイオンとして抜ける
  • 結合することでグリコシド結合の完成

発展的な話ですが、ヘミアセタール由来のOHが離脱した方が活性化エネルギーは低くなり反応が起こりやすくなります(ヘミアセタール由来のOHが抜けやすくなる理由)。

以上が糖の縮合でグリコシド結合が完成する原理です。

糖の加水分解の原理

糖の加水分解に関してもこの記事で触れておきます。

加水分解とは、二糖や多糖に水を加えることで分解されて単糖に戻ることです(糖の縮合の逆だと思っていただいてOKです)。

加水分解の原理を図にまとめます。

  • グリコシド結合の酸素が電子を大量に保有
  • Hイオンがグリコシド結合のOに近づく (Hイオンは希硫酸や酵素から供給)
  • 一方はヘミアセタール由来のOHが再生する
  • 他方の糖はヘミアセタール由来のOHがない (Cが正電荷を帯びる)
  • Cの正電荷に水のOHがよってくる
  • 他方の糖のヘミアセタール由来のOHも再生する
  • 単糖へ分解成功

以上が糖の加水分解の原理です。

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