無限数列と無限級数の違い 極限値

数学Ⅲ

こんにちは。horyです。

今回の記事では無限等比数列や無限級数に関して詳しく解説します。

この分野では紛らわしいことがいくつもあるので学生の誤解が多い印象があります。

前回の記事で数列の極限値に関して話したのでよろしければご確認ください。

はじめに

まず、この分野で話す言葉の定義についてです。

  • 無限等比数列・・・無限に続いていく等比数列
  • 無限級数・・・無限数列の和 (任意の数列)
  • 無限等比級数・・・無限等比数列の和

この3つの言葉の定義はしっかりと頭に入れてください。これをちゃんと覚えていないと自分が何の極限を求めているか分からなくなります。

以下ではこれら3つの内容について個別に話します。

無限等比数列

初項a1公比rとして以下の無限等比数列を考えます。

以上が等比数列の極限値です。公比が文字で置かれているときは上のように場合分けしなければならないことは覚えておいてください。

無限級数

無限級数とは無限数列の和のことです。以下のように表せます

無限数列の極限値を調べるにはn項までの部分和を求めて、nを無限大にすることで極限値を調べます。つまり・・・

上の2つの手順で求めます。

大切なのは以下の二点です。

つまり、無限数列が収束するから無限級数が収束するとは限りません。無限級数が収束するのは無限数列が0に収束するときのみです。

無限級数に関する面白い問題を2つ出します。

無限級数に関する面白い問題

以下はこの記事で取り組む無限級数に関する面白い問題です。

どちらの問題も無限級数の本質が理解できているかを試す非常に良い問題です。

(1)解答・解説

(1)の解答・解説です。

部分和の計算から初めて、その後に極限を求めます。

ただし、nの条件によって値が異なります。

だから、部分和の値もnが偶数か奇数かで異なります。

だから、この無限級数は収束せず振動します。つまり発散するので極限値を持ちません。

(2)解答・解説

(2)の解答・解説です。一応補足ですが、対数の底が書いていないと思うかもしれませんが、数学界では自然対数の底は省略することが普通です(書かれていませんが、底はe=2.71828・・・です)。

まずは、一般項を考えます。

以上からこの無限数列は0に収束します。

上の式で赤い部分は消えて、最終的に残った部分でn→∞にするとこの無限級数は収束せずに発散します。

何が言いたいのかというと・・・

上の3つのことは非常に大切なことなので頭に入れておいてください。

無限等比級数について

無限等比級数とは無限等比数列の和のことです。

無限等比級数が収束するかどうかの調べ方も部分和を求めて、部分和のnを無限に発散させる方法を用います。

等比数列の和についてはこちらの記事に書かれているので呼んでみてください。

以下の無限等比数列の和(無限等比級数)を求めてみます。

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