こんにちは。horyです。
前回の記事に引き続き漸化式と極限に関してです。今回の記事では極限を予測する問題と収束を証明する二種類の問題に取り組みます。
前回の記事はこちらです。
今回取り組む問題も多くの学生が解けずに苦労する問題なので、知っているか知っていないかで差がつく問題であると言えます。
今回も頑張りましょう。
極限の予測と収束の証明
以下の式で示された数列の極限を考えます。

極限の予測については以下の手順で予測します。
- ①の極限をαであると予測する
- ①でn→∞としてα=f(α)・・・②
- ②を解いてαを求める (極限が複数あるときはグラフで追跡する)
また、収束の証明に関しては以下の通りです。

上の不等式が成立するとして、数列anが収束することを示したいです。これを示すには0<R<1であることを示せば良いです。

上の式を具体的にどうやって導くかですが、「①-②」を実行します。

- f(x)が多項式・有理式・無理式なら△は求めれる
- 上でないときは平均値の定理 (別の記事で説明)
これを踏まえて実践問題に取り組みます。かなり難しい問題ですが頑張ってください。
極限値の予測と収束の証明 問題1
以下はこの記事で取り組む極限値の予測と収束の証明問題1です。

この問題を解説します。非常に難しい問題です。初見じゃ多分解けないと思いますが安心してください。これを機にできるようになりましょう。(4)と(5)は「a=2」として解いてください。
(1)解答・解説
(1)の解答・解説です。問題文の指示通り極限値をyと予測します。

①の方程式をyについて解きます。ルートが邪魔なので二乗します。

よって極限値を予測できました(あくまで予測しただけで求めてはないことに注意)。
(2)解答・解説
不等式に落とし込みます。(1)の式①を利用します。

ここでも√が邪魔なので有理化します。上の式の左辺に注目します。

上の式の赤い部分を再び式①を用いてyに置き換えます。

よって求めるべき不等式を導出することができました。
(3)解答・解説
(2)で求めた不等式を繰り返し用いることで(1)で予測した極限値が正しいことを証明します。

以上から「はさみうちの原理」を用いて・・・

以上により予測した極限値が正しいことが示せました。
(4)解答・解説
(4)は問題文に登場した方程式を応用します。「a=2」としてくださいと書いてあるのでその通りにします。

上の変形を思いつくのはしんどいかもしれません。これがこの問題を最難関レベルにしている所以です。
与えられた式は対数の和になっているので積の形に変形します。

以上により求めることができました。
(5)解答・解説
無限級数の問題です。手順通り「部分和→nを無限大に」です。

上の式の青い部分を見てください。次数が下がっています。繰り返し利用すれば・・・

極限値の予測と収束の証明 問題2
以下に示すのは極限値の予測と収束の証明 問題2です。問題1より簡単かもしれません。

この問題を例に解説します。
(1)解答・解説
数学的帰納法で証明します。帰納法に関する記事はこちらです。

上の式の赤い部分が0より大きいことを証明できれば勝ちです。

以上より数学的帰納法から不等式は成立します。
(2)解答・解説

比較しやすいように二乗の部分を分けて書くのがポイントです。

(3)解答・解説
(2)で証明した不等式を繰り返し用います。
