気体分子運動論と圧力・内部エネルギーの定義

熱力学

こんにちは。Horyです。

前回の記事では熱力学の目的や熱平衡に関して色々話したと思います。

今回の記事では気体分子運動論に関して話すと共に、圧力・内部エネルギーの定義に関する記事をまとめたいと思います。

今回も頑張りましょう。

気体分子運動論 問題

まぁ、言葉で説明するよりも問題を解いた方が早いと思うので問題から解説します。

ちなみに、力学の内容ができていないと熱力学もできないので力学が修得できていない人は力学の記事も読んでおいてください。

以下に問題を示します。

この問題を例に解説します。頑張りましょう。

問題を解く前の下準備

問題を解く前の下準備としていくつかの前提条件を解説します。

当たり前ですが、熱平衡状態であります。

  • 分子同士の衝突を考えない→理想
  • 現実・・・他の分子とも衝突する
    • 平均自由行程(分子と分子が衝突するまでの距離)・・・0.0001[m]ほど
  • 単原子分子である理由
    • 二原子だと回転を考える必要があるから
    • 高校物理で回転は習わないので単原子なら運動エネルギーのみ
  • 弾性衝突
    • 反発係数が1の衝突
    • 衝突前後でエネルギーは保存する

ちなみに、本問題では速度は時間変化しないモノとします。

(1)・(2)解答・解説

運動量変化を考えます。

  • 一分子が一回の衝突でAに及ぼす力積 ⇔分子の運動量変化の大きさ

(1)と(2)の問題は非常に簡単のため必ず正解したいところです。

(3)解答・解説

手順は以下の通りです。

  • 微小時間Δtの間に壁Aに衝突する回数を求める
  • Δtの間に分子が壁Aに及ぼす力積を求める
  • 力積の定義から力を求める (この記事に書いてあります)
  • 圧力の定義から圧力を求める

上の手順で問題を解いていきます。

上の式の赤い部分は「全粒子の運動エネルギーの和でアリ、単原子分子理想気体の熱平衡状態における内部エネルギー」と呼ばれているモノです。

内部エネルギーは温度にのみ依存します。

余談

余談ですが、圧力の定義に関してしっかりとおさらいします。

問題でもやったので分かりますが・・・

  • 圧力・・・壁や板の一面が系の粒子から受ける力を時間平均して面の面積で割ったモノ
    • 問題では速さが一定だが実際は原子の速度は時間変化してる

そして、「外からの影響を無視できる系で、系が熱平衡状態であれば圧力はどこでも等しい」ことをパスカルの法則と言います。

外からの影響と例を挙げるとは重力のことを指して、これを受ける液体などは必然的に下側の圧力が大きくなります。

これは覚えておいてください。

また、応用問題で以下の問題もあるので考えてみてほしいです。

  • 容器が球状だったら圧力はどうなる?
  • 壁Aが等速で動いたら圧力はどうなる?
タイトルとURLをコピーしました