正四面体の外接球・内接球・6辺全てに接する球の半径

図形の性質

こんにちは。horyです。

空間図形の問題でよく出てくる立体図形に正四面体があります。

今回は正四面体の外接球・内接球・6辺全てに接する球の半径を求める問題について解説します。

このような空間図形の問題では以下のようなことを意識します(これめちゃくちゃ大事です)。

  • 断面を考えて3次元→2次元
  • 自分に都合のいい座標をとる

今回は二通りのやり方を紹介しますが、どちらも覚えておく価値のある方法です。

正四面体とは 問題

以下は今回の記事で取り組む問題です。

問題に取り組む前に正四面体に関して簡単におさらいします。

以下に正四面体の図を示します。

以下は正四面体の簡単な性質です。

  • 面は全て正三角形で合同
  • 色々な直角・・・「OA⊥BC」・「OA⊥EF」・「EF⊥BC」

このような性質があることから正四面体は数Cのベクトルでも頻出します。

やり方① 断面を考えて二次元化

断面を考えて二次元にする方法を用います。

三角形の5心の性質も用いますので必要なら以下の記事を読んでおくことをお勧めします。

問題を解く前の下準備

以下は問題を解く前の下準備です。

以下に図を示します。

新たに設定した点の説明です。

  • H・・・頂点Aから平面BCDに下ろした垂線の足
  • M・・・辺BCの中点

そして、三角形について、以下のことが言えます。

  • △ABH≡△ACH≡△ADH (AHが共通・斜辺の長さ同じ)
  • BH=CH=DH・・・Hは外心
  • 正三角形で重心と外心は一致

ここで、△BCDと△AHDの平面図形を以下に示します。

DMの長さは三平方の定理より・・・

Hが重心であることを利用すると・・・

AHは三平方の定理から・・・

ここまでで下準備完了です。

内接球の半径:r

内接球の半径rを求めます。

内接球の中心は正四面体の各面からの距離が等しいです。

このことから、内接球と面の接点は各頂点からの中線上にあると考えられます。

中線を含む△AMDを断面としてみます。

以下に図を示します。

ここで、新たに登場した点の説明です。

  • I・・・内接球の中心
  • J・・・内接球と面ABCの接点

図より、次のことが言えます。

  • △AIJ∽△AMH (二角が等しい)
  • IJ=IH=r (内接円の半径)

相似を用いることで内接球の半径が求まります。

外接球の半径:R

外接球の半径をR求めます。

外接球の中心Oは各頂点からの距離が等しいです。

そのため、「OA=OB=OC=OD」が成立します。

再び、△AMDの断面を利用します。

外接球の半径を求めるためにはOHの長さを求めないといけないです。

AHの長さを利用するやり方と△OHDで三平方の定理を利用する二つの方法を用いてOHの長さは求めれます

ここで面白い事に気づきます。

正四面体の内接球の半径と外接球の半径の比はr:R=1:3になっているという点です。

6辺全てに接する球の半径:d

全ての辺に接する球の中心をPとすると、PはAH上です。

また、BCに接しなければならないことから球はAからBCに下ろした中線とBCの交点であるMを通ります。

よって、そのような球の半径はPMとすることができます。

ここで、図を示します。

図より次のことが言えます。

  • △APQ∽△ABH (二角が等しい)
  • PM=PQ=d (球の半径)

PMの長さを求めることができれば勝利です。

△PMHに三平方の定理を適用する方法△APQ∽△ABHを利用する方法です。

①=②により、PHの長さを求めることで、全ての辺に接する球の半径を求めれます。

PHは二次方程式を解くことで出ます。

やり方② 自分に都合のいいように座標を設定

こちらのやり方はかなりエレガントな方法です。

ただし、正四面体などの対称的な図形でしか使えない可能性が高いです。

ところで、正四面体という立体は立方体を削ることによって作られる立体と定義することもできます。これを最大限利用します(座標に落とし込みやすくなる)

問題を解く前の下準備

まずは、自分に都合の良いように以下の図のように座標を設定します。

三平方の定理を活用することでA,B,C,Dの座標は以下のように設定できます。

以上で下準備は完了です。

全ての辺に接する球の半径:d

原点Oから各辺の距離は等しいです。

つまり、原点Oと各辺の中点の距離は等しいことになります。

外接球の半径:R

原点Oと立方体の各頂点からの距離は等しいです。

内接球の半径:r

原点Oから各面の重心からの距離は等しいです。

△ABCの重心をGとします。

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