極座標と極方程式 原理と本質の理解

二次曲線

こんにちは。Horyです。

前回の記事では放物線・楕円・双曲線の基礎的な性質について学びました。

今回の記事では極座標と極方程式について原理と本質を学ぶと共に、簡単な問題に取り組もうと思います。

ちなみに、極座標には二次元極座標と三次元極座標がありますが、三次元は大学内容なので今回は二次元極座標に関して話します(3次元は物理の方で記事にするかもしれません)。

極座標というと、高校数学ではサラッと流されるイメージがありますが、物理でも使える非常に重要な要素の1つなので極座標について完璧に理解し、操れるようになってほしいと思います。

今回も頑張りましょう。

極座標とは・・・

そもそも、極座標とは「座標平面上の任意の点の座標を原点(極)からの距離(絶対値)とx軸とのなす角で表す」座標の表現方法の1つです。

  • x軸とy軸を決めてxとyの値を座標に・・・直交座標
  • 原点(極)からの距離と角度で座標を表す・・・極座標

私たちが今まで扱っていたのは直交座標です。試しに、極座標による座標表現を以下に示します。

距離と角度で任意の座標を表せるのかと思うかもしれませんが、上の図を見ると表せそうですよね。

極座標で大切になるのは直交座標への変換です。以下のことが自在にできるようになると良いです。

  • 極座標⇒直交座標に変換
  • 直交座標⇒極座標に変換

極座標は「r>0」で「0≦θ≦2π」の範囲では円の軌跡を描くことも覚えておきましょう。

極方程式について・・・

続いて、極方程式についてです。主に以下の方程式のことを指します。

  • 「距離r=角度θの関数」⇔「r=f(θ)」
  • 「距離rと角度θの関数」⇔「f(r,θ)=0」

ちょっとした極方程式の例を示します。基本的に軌跡を求めるなら、「極座標⇒直交座標」への変換で「xとyの関係」に落とし込んでしまうのが定石になります。

基本を押さえたところで問題に移ります。

問題1 極方程式

以下は極方程式における問題1です。

この問題を例に取り組みます。「極座標⇒直交座標」が定石ですね。

問題1 解答・解説

問題1の解答・解説です。

以上により直線を描きます。

問題2 極方程式

以下は極方程式における問題2です。

この問題を例に解説します。

(1)解答・解説

上の式の赤い部分で示す式・領域が求める答えです。双曲線を描くことが分かります。

(2)解答・解説

上の式の赤い部分で示す式と領域が求める答えです。放物線を描くことが分かります。

(3)解答・解説

以上による楕円軌道を描きます。

余談;離心率について・・・

ところで、問題2は離心率というモノに関係しています。これは物理でも非常に重要になっていて、惑星の軌道やロケットの打ち上げなどでも利用されます。

定点Fとの距離とFを通らない直線Lからの距離の比が「e:1」の点Pの軌跡を考えます。

  • L;準線
  • F;焦点 (c,0)
  • P (x,y)

このようにeの値(辺の比の値)によって軌道が異なります。このeのことを離心率と呼びます。

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