こんにちは。Horyです。
前回の記事では対称性のある曲線が囲む面積を求めました。積分においても対称性を意識しなければならないことは理解していただいたと思います。
今回の記事では楕円を重ね合わせた部分の面積を求める問題に取り組みます。複数の対称性を用いる非常に良い問題です。
問題 楕円を重ね合わせた面積
以下はこの記事で取り組む楕円を重ね合わせた部分の面積を求める問題です。

この問題に取り組みます。
問題を解く前の下準備
問題を解く前の下準備です。以下にグラフを描きます。
以前の記事でも言いましたが、楕円は円を押しつぶしたり・引き延ばしたりした図形です。

グラフを確認すると対称性が複数あります。
- x軸に対する対称性
- y軸に対する対称性
- 直線「y=x」に対する対称性
軸に対する対称性は容易に見つけれますが、直線「y=x」に対する対称性は中々出てこないと思います。このような2つの楕円を合わせた図形は「y=x」についても対称性があります。覚えておくと得します。
解答・解説
軸に対する対称性から第一象限のみを考えます。

第一象限内にも直線「y=x」についての対称性があります。だから、赤の斜線部と紫の斜線部の面積は同じです。
今回は赤い斜線部の面積を求めるところから始めます。
まずは、楕円と直線の共有点を求めます。

共有点を求めることができたので求めたい面積をフローチャート化します。

三角形の面積は積分を使わなくても良いです。求める面積をTとして積分します。

この積分は「sin・cos」に置き換える暗記型置き換え積分が使えますね。

これで終わってはいけません。対称性からこの面積を8倍したモノが求める値です。
