こんにちは。Horyです。
前回の記事では拘束条件について簡単にまとめると共に、滑車に関する問題の解説を行いました。
今回の記事では動く斜面と斜面上の物体について簡単に解説します。
この問題については拘束条件が大事ですが、作用反作用の法則も非常に重要になります。
今回も頑張りましょう。
問題 動く斜面と斜面上の物体
以下に示すのは動く斜面と斜面上の物体についての問題です。

この問題を例に解説します。非常に有名な問題だけに必ず抑えておきたいです。
まずは、図を示します。また、座標軸を以下のように取ります。
今回の問題で注意したいのは斜面も動くと言うことです。また、座標軸は斜面について水平・垂直ではないと言うことです。

図における力は全て大きさ(スカラー)で表示されているとします。
- 物体にかかる力 (青色)
- 地球が物体を引く重力 mg
- 斜面が物体に及ぼす垂直抗力 N (x,y方向に分解する)
- 積み木にかかる力 (緑色)
- 地球が積み木を引く重力 Mg
- 物体が積み木に及ぼす力 N (x,y成分に分解する)
- 水平面が積み木に及ぼす力 R
これで事前準備は完了です。
(1)(2)解答・解説
(1)と(2)の解答・解説です。
小物体と積み木について、x,y成分の運動方程式を立てます。

この4つの式を用います。ただ、1つ式が足りません(未知の文字が5つに対して方程式が4つ)。最後の式が拘束条件です。
(3)解答・解説
(3)の解答・解説です。
拘束条件を求めます。ポイントは斜面上から小物体の運動を見たとき、この小物体の運動は斜面上を滑る運動だと言うことです。これが鍵になります。
つまり、斜面上の小物体を基準としたときのx成分とy成分の相対化速度について関係式を導出できると言うことです。
積み木から見たときの小物体の相対化速度を成分ごとに求めます(積み木に乗った観測者が観測する小物体の加速度)。

ここで注意してほしいこととして加速度の向きです。⑤が何故そうなるかを議論します。
- ax・・・小物体のx成分の加速度⇔x軸正方向
- ay・・・小物体のy成分の加速度⇔y軸負方向
- Ax・・・積み木のx成分の加速度⇔x軸負方向
- Ay・・・積み木のy成分の加速度⇔0
- ax-Ax・・・正方向
- tanθ⇔θの範囲から正の値
つまり・・・以下の式は間違いです。

だから分子の加速度にマイナスをつけなければなりません。
これはよく勘違いする人がいるので注意です。
(4)解答・解説
(4)については自習とします。自分でやってみてください。
導出した①~⑤の5つの式を連立すれば必ずできます。