こんにちは。Horyです。
物理で重要になってくる数学的テクニックの一つに微分方程式というのがあります。
今回の記事では「微分方程式って何なんだ?」という疑問を解決するとともに、最も初歩的な微分方程式の解き方を簡単に解説します。
この記事は微分や積分の本質が分かっている前提で話を進めるので、もしこれが分かっていない人は前回の記事に数学の微分や積分の解説記事のリンクをまとめたのでその記事を確認してほしいです。
今回も頑張りましょう。
微分方程式とは・・・
そもそも、微分方程式とは方程式の中に微分された関数が入っている方程式のことです。
例えば、関数を一変数関数のf(x)と考えて、微分された形とは以下のような状態のことです。

微分された状態というのは微分の回数に関係はありません。何回微分されていたとしても微分された形が方程式に入っていればその方程式は微分方程式です。
そして、微分方程式を解くというのは、関数を微分されていない状態に戻すことです。つまり、微分された回数だけ積分を行って元の形に戻すことを言います。
そして、戻す過程で積分した回数だけ積分定数が現れることになります。
この積分定数を物理では初期条件というものを使って求めます(積分計算の記事でも話したが、積分は微分の逆と考えてはいけないのはこのため、物理では初期条件が大きな意味を持つ)。
次の項では最も初歩的な微分方程式を解いてみます。
最も初歩的な微分方程式
以下に示すのは最も初歩的な微分方程式です。解いてみましょう。

この問題を例に解いていきます。解く前に、微分方程式の数学的意味を抑えましょう。この微分方程式は「x(t)をtで二回微分したら定数aになる」という意味です。
・解答・解説
問題の解答・解説です。

ところで、出てきた積分定数C1とC2は初期条件から求めることができます。

以上からx(t)を求めることができました。

上の青い式ですが、皆さんが力学を習い始めたばかりに必死になって覚える等加速運動の3つの公式の内の二つです。
ここでは、数直線上を等加速で運動する物体を仮定すると、文字を以下のように定義することが可能です。
その前に、ベクトルとスカラーの違いです。今回は文字をスカラーで定義しています(ベクトルで定義もできますが、x,v,aの上に矢印が必要です)。
- スカラー(大きさのみを持つ量・・・マイナスを取らない)
- ベクトル(向きと大きさを持つ・・・数直線ならマイナスもとる・・・数直線なら正の方向と負の方向の二種類がある)
- t・・・運動開始を0としたときの時刻
- a・・・物体の加速度の大きさ(スカラー)
- v・・・物体の速さ(スカラー)
- v0・・・時刻0のときの物体の速さ(スカラー)
- x・・・物体の原点からの距離(スカラー)
- x0・・・時刻0のときの物体の原点からの距離(スカラー)
この記事は微分方程式の記事で単位については別の記事で説明します。また、ベクトルやスカラーについては別の記事でも詳しく解説します。