弾性力(復元力)の正体 原理と本質の理解

力学

こんにちは。Horyです。

これまでに、重力・張力・抗力・浮力について解説しました。

今回解説するのは弾性力についてデス。物理の力学分野における単振動の入り口となる内容なので必ず理解しておきたい記事になります。

今回の記事では弾性力の正体と絶対に押さえなければならないこと、勘違いしやすいことをまとめたいと思います。

今回も頑張りましょう。

弾性力(復元力)とは・・・

弾性力とは簡単に説明すると「物体が接するバネから受ける力」です。

  • 自然長・・・バネそのものの長さ
  • バネが縮む・・・バネが伸びる方向に力が働く
  • バネが伸びる・・・バネが縮む方向に力が働く

上の説明を見るとバネの変形を妨げる向きに力が働きます。このことからバネの弾性力は復元力とも呼ばれています。

中学校で習ったフックの法則は覚えているでしょうか?中学校では力の大きさと向きについて詳しいことは学ばなかったので、これらについて以下の事項に分けて議論します。

  • バネが自然長から伸びたときの力の大きさと向き
  • バネが自然長から縮んだときの力の大きさと向き

バネには物体が接しているとして、物体の初期位置を0[m](原点)とします。

また絶対に押さえておかなければならない注意事項としてベクトルとスカラーの違いです。

これが分からないと向きがどっちか分からなくなります。

  • 物体の一次元直線上での座標・・・ベクトル量
  • バネの伸び(縮み)・・・スカラー量でしかも必ず0より大きい
  • バネから受ける力・・・ベクトル量でばね定数kと位置座標の積(ベクトルのスカラー倍)
  • バネから受ける力の大きさ・・・スカラー量でばね定数kとバネの伸び(縮み)の積(スカラーのスカラー倍)

上のベクトルとスカラーの違いを意識してください。一応、文字でも書いておきます。

バネが自然長から伸びたとき・・・

以下に図を示します。図には力をベクトル表記したときとスカラー表記(大きさ)したときの両方が書いてあるので参考にしてください。

バネが自然長から縮んだとき・・・

以下に図示します。図には力をベクトル表記したときとスカラー表記(大きさ)したときの両方が書いてあるので参考にしてください。

まとめ

結局、バネが伸びたときと縮んだときで座標軸をどのように取ったとしても運動方程式は以下のように書くことができます。

上の式を暗記する学生が非常に多いです。僕はそういうやり方は非常に嫌いです。

上の説明にも示しましたが、今一度、図を描いて座標軸を取って、ベクトル・スカラーの両面から考えてください。

運動方程式における力はベクトルです(ただ、一次元では成分が1つしかないので、ベクトル(座標)をスカラー(成分)のように扱える)。

ベクトルは向きと大きさを持つ量です。運動方程式を立てるときは向きと大きさを意識してください。口酸っぱく言っておきます。

タイトルとURLをコピーしました