今回の記事は物理数学の記事になります。物理において、微分と積分は非常に重要になります。微分や積分の本質に関する記事はこちらに書きましたので必ず読んでおいてください。
今回の記事では微分の中の常微分と偏微分に関しての違いをメインに記事を書きたいと思います。
大学内容が含まれますが、内容自体はそこまで難しくないので頑張りましょう。また、様々な基本的関数の微分結果はこちらの記事で原理からまとめているのでこちらも事前に読んでおくことをお勧めします。
- 様々な基本的関数の微分結果
- 多項式関数の微分 微分の定義式による導関数の導出
- 合成関数の微分 原理の証明
- 積の微分 原理の導出と練習問題
- 商の微分 原理の導出と練習問題
- 三角関数の微分 原理の導出と練習問題
- ネイピア数の定義と極限・指数の微分公式
- 対数の微分公式と練習問題
特殊な微分方法はこちらの記事です。これも読んでおいてください。
今回も頑張りましょう。
一変数関数と多変数関数
まずは、一変数関数と多変数関数についてです。
- 一変数関数・・・変数が1文字の関数・・・y=f(x)はxだけの関数
- 多変数関数・・・変数が2文字以上の関数・・・z=f(x,y)はxとyの関数
この一変数関数と多変数関数の違いは頭に入れておいてください。
常微分と偏微分
常微分と偏微分の違いについてです。
- 常微分・・・一変数関数を変数で微分する
- 偏微分・・・多変数関数の微分で微分する変数以外を定数として微分する
この違いを頭に入れておいてください。特に偏微分における「微分する変数以外を定数と見る」ということがめちゃくちゃ大事です。
微分の記事でもさんざん説明しましたが表し方にルールがあります。

以上が常微分です。私たちは基本的に高校数学の数学Ⅱや数学Ⅲで常微分という微分法を行っています。

媒介変数表示された関数の微分の記事でもさんざん言いましたが、偏微分でも微分記号(数式の意味)を日本語で説明できるようになってください。これができないと何をやっているか分からなくなります。
ちなみに「∂」の読み方は「ラウンド」と読みます。
偏微分と陰関数の微分の違い
ここで、皆さんの中には偏微分と陰関数の微分の違いが良く分からないという人もいると思うのでこれに触れたいと思います。
- 偏微分・・・多変数関数の微分で微分する変数以外を定数として微分する
- 陰関数の微分・・・複数の文字で表されているが、互いに影響を及ぼしあっている(微分する文字以外を定数と見れない)
偏微分はそれぞれの変数は互いに独立しています。一方で、陰関数の微分はそれぞれの変数が互いに影響を及ぼしあっています。
ちょっとした例を示します。以下に示すのは偏微分です

以下に示すのは陰関数の微分です。

偏微分も陰関数の微分も非常に大切なので必ず理解していただきたいです。
偏微分 簡単な練習問題
以下に示すのは偏微分に慣れるための簡単な練習問題です。

この5つの偏微分を求めていきます。まぁ、偏微分について分かっているなら大したことないですよね。
解答・解説
以下に解答・解説を示します。
