多糖とデンプン アミロースとアミロペクチンの違い

天然有機物

こんにちは。Horyです。

前回の記事ではオリゴ糖や多糖の分子構造から分子量の計算や還元性の有無を解説しました。

今回の記事では多糖について、グルコースが多数縮合することによって生成するデンプン関する話をします。

デンプンは構造によってアミロースとアミロペクチンの2つの形態に分かれます。

今回の記事では両者の違いに関してもまとめていこうと思います。

今回も頑張りましょう。

デンプンについての基礎知識

まずは、デンプンについての基礎知識です。

デンプンと聞いて「米」を思い浮かべますが間違っていないです。

米にはデンプンが含まれています。

デンプンは数百から数千のα-グルコースが縮合した物質です。

重要な事として「反転することなく縮合」しています。

糖の反転に関しては二糖についての記事でも解説しました。

デンプンは2つの形態を持ちます。

  • アミロース・・・線状螺旋構造をしたデンプン
  • アミロペクチン・・・線状螺旋構造をもちながら枝分かれ構造も持つデンプン

アミロースの構造

アミロースの構造についてデス。

アミロースはα-グルコースの1位と4位のOHが縮合したデンプンの一形態です。

50~300個のα-グルコースが縮合することで出来ています。

アミロースは螺旋構造(筒状構造)を持ちます。

この螺旋は一巻きにα-グルコースが6個用いられています。以下に図を示します。

ここで、2,3,6位のOHは水素結合をしています。

溶解に関する記事でも話しましたが、OHは親水性なので、アミロースは水に溶けると思われますが、冷水には溶けません。

理由は、親水性のOH(水素結合)が全てアミロースの螺旋構造を維持するために使用されるからです。

ただし、加熱によって水素結合はブチブチ切れるので熱湯に入れると溶けます。
(加熱で水素結合が切れることで螺旋構造を維持できなくなる)

また、知識として以下のことは知っておいた方が良いです。

  • デンプンの分解;アミラーゼ(分解酵素)でマルトース(二糖)
  • ヨウ素デンプン反応;螺旋構造中にI2が入り込む (加熱で反応しない)

アミロペクチンの構造

アミロペクチンの構造についてデス。

アミロペクチンが枝分かれいているのは縮合するOHがどこの位置かに大きく関係しています。

反転せずに縮合するのはアミロースと変わりません。

  • アミロペクチンの構造
    • αグルコースの1位と4位のOHが縮合
    • 一部はαグルコースの1位と6位のOHが縮合 (枝分かれの原因)

構造を図に示します。

上の図に示すように螺旋構造に加えて枝分かれ構造を持ちます。

アミロペクチンはアミロースと比較して分子量が大きいです。

そのため、冷水にも熱水にも溶けません(分子が巨大すぎることが原因)。

ちなみに、デンプンのもう一つの形態としてグリコーゲンという形態もありますが、これは、アミロペクチンと同様に枝分かれ構造を持ちます。

アミロペクチンと異なる点は枝分かれの数が圧倒的に多いと言うことを覚えておいてほしいです。

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