こんにちは。horyです。
今回の記事では学生がつまずくことが多い図形量の最大値や最小値を数学Ⅲの微分を用いて導出する問題に取り組もうと思います。
前回の記事でも話しましたが図形量の問題で最初に意識することは「辺か角度のどちらを変数にとるか」です。
また、以下の事項も意識してください
- 相似条件・・・変数を減らす
- 断面図・・・立体図形の場合は二次元化で簡略にせよ
今回の記事はまとめなので問題の数がかなり多いですが頑張りましょう。
問題1 球に外接する直円錐の体積の最大値
以下はこの記事で取り組む問題1です。問題1なのでそこまで難しくはないです。

この問題を例に解説します。ポイントは以下の通りです。
- 長さを変数にとる・・・半径と高さ
- 断面図を考える
- 相似条件で長さの変数を減らす(一変数化)
以下に断面図を示します。

この断面図を利用して解答を進めていきます。
問題1 解答・解説
問題1の解答・解説です。
断面図にある点や変数の説明を行います。
点の説明
- M・・・辺BCの中点
- T・・・内接球の中心から辺ABに下ろした垂線の足
変数の説明
- MC=r・・・底面の半径 (r>1)
- AM=h・・・高さh (h>2)
- 内接球の半径は1
また、「三角形AOT∽三角形ABM」です。証明は自分でやってみてください。
相似条件を用いて変数を一つにできます。

これで直円錐の体積をrのみの関数で表すことができます。

- 赤い部分は符号変化しない
- 青い部分のみに注目する
増減表を描きます・・・

問題2 直円錐の表面積の最小値
以下はこの記事で取り組む問題2です。

この問題を例に解説します。
問題の状況をまとめます。
- 変数は与えられている (辺の長さ)
- 表面積をlとrで表してみる
まずは表面積を求めることから始めてみましょう。
問題2 解答・解説
問題2の解答・解説です。表面積から求めます。

さて、最初の方に辺か角度のどちらを変数にとるかを考えると言いましたが、今回はそれに当てはまりません。辺の比を取ります(珍しい例ですが、辺や角度の比を変数にとることがあります)
また、体積と辺の長さについて以下のことが成立します。

ここで辺の比を変数にとります。

これで表面積をtの一変数で求めることに成功しました。

上の式をtで微分すればいいのですが、計算の工夫です。括弧の中身を微分すればいいですよね・・・

増減表を示します。

問題3 折り紙を折った後にできる図形の最大値
以下に示すのは折り紙を折った後にできる図形の最大値を求める問題です。
かなり難しい問題ですが頑張りましょう。

この問題を例に解説します。
問題を解く前の下準備
まずは図を描いてみましょう。ポイントは折り紙を折った後でも折る前の図形の特性は残されていることです(角度が直角・辺の長さ)。

問題のポイントをまとめます。
- 辺の長さを変数にする(今回ならDEとDA’の長さ)
- 直角の利用・・・三平方の定理
- 相似条件による一変数化
上のことをうまく利用すれば問題を解くことができます。
また、このような図形が複雑な問題は目的のモノを求めるには何が必要かを逆算するのが効果的です。
- △GFB’の面積が求めたい
- 底辺B’Fと高さGB’の値が必要
- 高さGB’を求めるにはARの長さが必要
- 相似条件⇒面積比が使えるぞ!⇒辺の比だ!
問題3 解答・解説
問題3の解答・解説です。
まずは、三平方の定理を用います。

次に相似条件です。相似条件を二回利用します。

- 赤い部分は符号変化しない
- 青い部分だけ見ればいい
増減表を示します。

以上が解答です。
問題4 三角柱の断面積の範囲
以下に示すのは三角柱の断面積の範囲を求める問題です。
こちらも非常に難しい問題になります。

この問題を例に解説します。
問題を解く前に、この問題のテーマは無限の重複をどうやって処理するかです。
どういうことかというと、断面の直角三角形の三頂点が独立に動くと考えると収拾がつかなくなるということです。だから、一点を底面上の点に固定する必要があるということです。
これに気付くかどうかがポイントです。
問題を解く前の下準備
問題を解く前の下準備です。まずは図を描きましょう。

辺の長さを変数に置きます。

上の関係式を最大限に利用します。
問題4 解答・解説
直角三角形の面積を求めます。

