こんにちは。Horyです。
前回の記事では糖の反応性に関して簡単にまとめました。
今回からいよいよ糖の構造に関して紹介したいと思います。
初めは、単糖の中でも最も重要なグルコースに関して構造をまとめてα型とβ型の構造を解説するとともに、発展的な内容であるフィッシャー投影法に関しても解説しようと思います。
今回も頑張りましょう。
単糖の種類
単糖の種類に関しての知識です。
単糖とはそれ以上加水分解できない糖のことを言います。
- ヘキソース(六単糖_炭素の数が6個)⇔化学式;C6(H2O)6
- グルコース (ブドウ糖)
- フルクトース (果糖)
- ガラクトース (乳糖)
- ペントース(五炭糖_炭素の数が5個)
- リボース
- デオキシリボース
今回、焦点を当てるのはグルコースに関してです。
ちなみに、単糖類の分子量が180[g/mol]というのは覚えておいた方がいいです。
糖の構造とフィッシャー投影法
フィッシャー投影法は高校化学では発展的な内容ですが、京都大学などの難関大学は誘導付きで出してくる可能性があるので知っておくといいでしょう。
フィッシャー投影法は「糖の鎖構造の記述方法(環構造ではない)」です。
フィッシャー投影法のルールを以下に示します。
- ①;主鎖内(背骨)で最も酸化の進んだ部分を上(頭脳)にせよ
- ②;左右方向(あばら骨)は紙面に飛び出す向きになる
- ③;上下方向は紙面に埋まる向きに配置する
まぁ、ここまで説明してもピンとこないと思いますのでフィッシャー投影法でグルコースの構造を実際に記述したいと思います。

上のようになります。まぁ、恐竜の化石の復元作業みたいなイメージでOKです。
フィッシャー投影法と環反応
フィッシャー投影法を用いてグルコースが鎖状構造から環構造になる反応に関してです。
とりあえず、投影法で何が起きるのかを示します。

- ①;一位の炭素が正に帯電する
- ②;5位のOHは負に帯電しているので正に帯電する一位の炭素にアタック
- ③;一位の炭素の二重結合が環結成のために利用されて環の完成
フィッシャー投影法を踏まえて反応を立体的に記述します。

グルコースのα型とβ型の違い
グルコースのα型とβ型の違いに関して図を用いて解説します。

上のようにグルコースは「水中」ではα型とβ型と鎖状構造が共存し平衡状態を維持しています。
αとβの注目すべき違いは赤丸の部分で、一位の炭素原子に垂直に結合するHとOHが逆になるという違いのみです。
糖の構造は僕が書いたように立体的に書いてもいいですし、以下のように平面的に記述してもOKです。

ここで、構造を覚えるのが面倒くさいと思っている人に朗報です。グルコースの構造の規則性をまとめます。
- OHとHの上下関係について(2~4位の)・・・
- 偶数番目のOHは下である
- 奇数番目のOHは上である
- αとβでは1位のHとOHの上下が逆転する
これらのことを頭に入れてグルコースの構造を理解しましょう。