力学の目的と3つの原理 まとめ 本質の理解

力学

こんにちは。Horyです。

今回の記事は物理で最も重要な分野である力学の原理についてデス。

物理ができるようになるためには力学が完璧である必要があります。そもそも、電磁気学・熱力学・量子力学も全て力学から派生した学問です。要するに力学は物理の源流というわけです。

今回の記事では力学の目的を解説すると共に、力学の3つの原理について解説します。今回の記事の内容は非常に大切なので是非、頭に入れておいてください。

また、位置・速度・加速度に関する内容が出るのでこの記事は読んでおいてください。

今回も頑張りましょう。

力学の目的

力学の目的は基本原理(運動方程式)に基づいて未来を予言することです。

こんなことを言われて「何を言ってるんだ?」と思うかもしれませんが、未来予言は本当にできます。

例えば、人間の動きを予測するとすれば、私たちを構成する原子1つ1つに働く力が分かっているとして、それぞれの原子に対して運動方程式を立てることができれば、運動方程式から加速度を積分することでそれぞれの粒子の位置座標を時間の関数にすることが可能です(未来予言)。

まぁ、そのような方法を用いて人間の動きを予測することは無理ですが、これが一次元直線上を動く形が全く変形しない物体を考えてみてください(金属とか木片とか・・・)。

そのような物体が運動するとき、物体を構成する原子は全て一定の加速度を持つと見なせます。

だから、物体全体(質量をM[kg]とかっておいて)で運動方程式を立てて加速度を積分することで未来予言ができます。

力学(物理)の始まりが未来予言をすることというのは覚えておいてください。

力学の3つの原理

力学には3つの原理があります。

  • 運動方程式・・・最重要原理
  • 慣性の法則
  • 作用・反作用の法則 (力の釣り合いと勘違いしやすい)

この3つの原理について個別に解説します。

原理とは何か

ここで、原理とは何かということについて説明します。

原理とは「どんな場合であっても成り立つ法則」のことです。

実際に運動方程式は宇宙全体で成立します。また、原理が何故そうなっているかは誰にも答えることができません。

運動方程式を生み出したニュートンでさえも答えることができないです。

  • 原理発見の経緯・・・発案者の閃き(神のお告げ)
  • 原理証明の経緯・・・実験などによる証明(何度も実験をして正しいことが示された)

以上のことから原理については覚えるしかないです(原理がそうなっている理由を誰も答えれないから)。

これから説明する3つの原理については原理の意味を暗記してください。

運動方程式

初めに紹介するのは運動方程式です。古典物理における最重要物理原理になります。

そのため、運動方程式の意味は正しく覚えてください。

一次元直線上を物体が運動しているとして、物体の質量、加速度、受ける力を以下のように定義します。

運動方程式は以下のようになります。

  • 数学的意味・・・加速度(ベクトル)の質量倍(スカラー倍)は力(ベクトル)になる
  • 物理的因果関係・・・力を加えた(原因)ら加速度が生じて物体が動いた(結果)

よく、運動方程式を「ma=F」というように書く人がいますが、僕はこの書き方は好きではありません。なぜなら、加速度や力がベクトルかスカラー(成分)か分かりにくいからです。

このように書くから運動方程式を「質量に加速度を掛けたら力になる」という覚え方をしてしまうのです。

ベクトルかスカラー(成分)かを明確にして数学的意味と物理的意味を暗記してください。

ところで、上の例は一次元直線ですが、この原理は二次元や三次元でも成立します。

このように運動方程式を座標成分に分けて書くことが可能です。三次元空間でも同様の方法を用います。

運動方程式と等加速度運動

運動方程式と等加速度運動についてデス。

一次元直線上を運動する物体の運動方程式を成分表示します。

上の式の赤い部分が加速度です。加速度が一定と言うことは受ける力が一定と言うことになります。

上の式から初期条件が分かれば確かに物体の未来を予測できますね。

慣性の法則

慣性の法則とは、「物体に外部から力が働いていないとき、静止している物体は静止し続けて、運動している物体は等速度運動を続ける」という原理のことです。

上の言葉を平易な言葉で言い換えると、「物体に力が働かなければ物体に加速度が生じることはない。ということは、止まっている物体は動かないし、動いている物体の速度は変化しない」ということを表しています。

考えてみれば当たり前のことですが重要な原理なので覚えてください。

作用反作用の法則

最後の原理が作用反作用の法則です。

この法則は「2つの物体が互いに力を及ぼし合うとき、それらの力は向きが反対で大きさが等しい」という法則です。

以下に図を示します。

ここで、皆さんが勘違いしやすいのが「力の釣り合い」と「作用反作用」はどう違うのかということです。これは大学生や大人でも勘違いしている人が結構います。

勘違いしている人は「重力の反作用は垂直抗力だ」とか言う人がいます。

「力の釣り合い」と「作用反作用」の違いを重力と垂直抗力を例にして説明します。一応、垂直抗力と重力の説明です(これらの詳細な説明は別の記事で行います。この記事では簡単書きます。

  • 重力・・・地球が物体を引く力 (引力)
  • 垂直抗力・・・物体が接している面が物体に及ぼす力

力の釣り合い

まずは、力の釣り合いです。

重力と垂直抗力には力の釣り合いが成立します。

  • 重力・・・地球が物体を引く力 (引力)
  • 垂直抗力・・・物体が接している面が物体に及ぼす力

ここで、地球をA、物体をB、接地面をCとすると・・・

どちらもBに及ぼす力になっています。このように、1つの物体にかかる力について、大きさが同じで向きが逆であれば物体にかかっている力は釣り合っていると言うことができます。

作用・反作用の法則

続いて、作用・反作用の法則です。

例として「重力と垂直抗力」の作用反作用の法則を考えてみましょう。

  • 重力・・・地球が物体を引く力
  • 反作用・・・物体が地球を引く力
  • 重力と物体が地球を引く力には作用反作用の法則が成立する
  • 垂直抗力・・・設地面が物体に及ぼす力
  • 反作用・・・物体が接地面に及ぼす力
  • 垂直抗力と物体が接地面に及ぼす力には作用反作用の法則が成立する

先ほどと同様にA,B,Cで表してみましょう。

  • 重力・・・AがBを引く力
  • 反作用・・・BがAを引く力
  • 垂直抗力・・・CがBに及ぼす力
  • 反作用・・・BがCに及ぼす力

上のことを考えると、方向が逆で大きさは同じだが、主語と目的語が逆転する関係があり、1つの物体ではなく2つの物体が絡みます」・・・これが作用反作用の法則です。

力の釣り合いと作用反作用を勘違いしないように口酸っぱくこの記事で言っておきます。

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