こんにちは。Horyです。
前回の記事では回転運動方程式と力のモーメントに関して基礎事項を学ぶと共に、物体の重心位置を求める問題に取り組みました。
今回の記事では本格的に力のモーメントが絡む問題に取り組みます。問題のテーマは以下の通りです。
- 壁に立てかけられたはしご
- 斜面上の物体
今回も頑張りましょう。
問題1 壁に立てかけられたはしご
以下に示すのは力のモーメントで壁に立てかけられたはしごがテーマの問題です。

この問題を例に解説します。状況を以下に図示します。

登場する文字について解説します。
- Np・・・壁がはしごに及ぼす垂直抗力の大きさ
- NQ・・・床がはしごに及ぼす垂直抗力の大きさ
- R・・・床がはしごに及ぼす摩擦力
- F・・・床がはしごに及ぼす抗力
- Mg・・・地球がはしごに及ぼす重力
ちなみに、壁からの垂直抗力と床がはしごに及ぼす抗力の合力が重力と釣り合っています。
立てる式は以下の3つです。
- 水平成分の力の釣り合い
- 鉛直成分での力の釣り合い
- Q周りでのモーメントの釣り合い(未知力が一番多いから)
問題1 解答・解説

以上が解答になります。
問題2 斜面上の物体
以下に示すのは斜面上の物体に関する問題です。

この問題を例に解説します。状況を図に示します。

この問題、なめてかかると痛い目に遭います。
というのも、重力は非接触力であり、作用点は物体の重心です。これは前回の記事で証明しました。
一方で垂直抗力の作用点はどうでしょうか・・・
「重力の作用線上にある」と考える人もいますが間違いです。
この考え方は物体が大きさを無視できる質点や小球などに限り言うことができますが、今回の物体は直方体で明確な大きさがあり、広がりを持ちます。
だから、接触力である垂直抗力の作用点は不明です(今回は立てかけられたはしごのように一点で接しているのではなく、面自体が接しているので垂直抗力の作用点は本当に分からない)。
垂直抗力の作用点と下端の距離をxと置いて話を進めます。
ちなみに、出てくる文字の説明は以下の通りです。
- mg・・・ブロックにかかる重力 (非接触力_作用点は重心)
- N・・・垂直抗力 (接触力_作用点の位置は不明)
- R・・・摩擦力 (接触力_作用点の位置は不明だが垂直抗力の作用点と位置は同じ)
また、立式する式は以下の通りです。
- 斜面水平成分の力の釣り合い
- 斜面鉛直成分の力の釣り合い
- ブロックの下端周りのモーメントの釣り合い
以上で準備完了です。
問題2 解答・解説

ここまでやったらできると思うので後は自分でやってみてください。