こんにちは。horyです。
整式の割り算に関する重要定理に「剰余の定理」と「因数定理」というものがあります。
今回はこの2つの定理を簡単に解説すると共に、定理の原理を証明しようと思います。
整式の割り算に関する記事はこちらに書かれています。読んでいない方はこの記事を読む前に読んでおくことをお勧めします。
剰余の定理の原理
まず、「剰余」とは「余り」と言う意味です。なので、この定理は「整式の余り」に関する定理のことです。
以下に定理について簡単に解説します。

これ、非常に大切になるので絶対に理解してほしいです。
剰余の定理 原理の証明
剰余の定理の原理を証明します。
・①の証明
①の状況を簡単に整理します。

上の4つをまとめると以下のようになります。

・②の証明
②の状況を簡単に整理します。

上の4つをまとめると以下のようになります。

剰余の定理と問題
以下はこの記事で取り組む問題です。
剰余の定理を用いて余りを求める問題です。

この問題には二通りの方法があります。
- 剰余の定理を用いる
- 堅実に割り算を実行する
どちらで解いても良いですが、剰余の定理を用いた方が圧倒的にラクです。
剰余の定理を用いた解答
問題の条件を簡単に整理します。

上の4つをまとめると以下のようになります。

よって、余りは7です。
堅実な割り算を用いた解答
以下に割り算の図を示します。

従って余りは7になります。
因数定理の原理
「剰余の定理」の応用が「因数定理」です。
f(x)がg(x)で割り切れるとします。
割り切れるので商をQ(x)とすると、余りは0です。

このとき、f(x)とg(x)には次の関係が成立します。
- f(x)はg(x)の倍数
- g(x)はf(x)の約数
つまり、約数と倍数の関係になっているのです。
ここで、因数定理について、簡単に説明です・・・

証明は剰余の定理の証明と同様の方法を用いれば導けます。
自分でやってみてください。
因数定理と問題
以下は因数定理を用いた問題です。

やり方は2つあります。
- 剰余の定理(因数定理)の利用
- 堅実に割り算を実行
剰余の定理(因数定理)を利用した解答
状況を簡単にまとめます。

ここで重要なのが「たすき掛け」とかができると良いです。
たすき掛けに関する記事を以下に示します。読んでおいてください。

よって割り切れます。余りは0です。
ここで、皆さん、気になることはありませんか?
「因数」をどうやって見つけるんだ?ということに・・・
というのも、二次式までであれば「たすき掛け」・「解の公式」ですぐに因数が見つかりますが、「3次式」「4次式」・・・だとそう簡単にいかなくなります。
この、「因数の見つけ方」については別の記事に書きますので期待しておいてください。
堅実に割り算を実行する方法
堅実に割り算を実行します。以下に図を示します。

よって余りは0です。