こんにちは。Horyです。
前回の記事ではベンゼンの配向性と窒素について、TNTやジアゾ化に関して話しました。
今回の記事もベンゼンの配向性に関しての記事でサリチル酸の製法について話します。
今回も頑張りましょう。
サリチル酸の製法
サリチル酸の製法に関して解説します。
前回の記事でも解説しましたが、分子からベンゼンに電子を吐き出すのが最強なフェノキシドイオンを用います。
手順としては以下の通りです。
- フェノキシドイオンとCO2をNaOHの塩基性で反応
- サリチル酸ナトリウム(塩)の生成
- サリチル酸ナトリウムに強酸(HClとか)を反応
- 弱酸遊離反応でサリチル酸の生成
弱酸遊離反応に関してはこちらの記事です。
反応のプロセスを図にして示します。

ところで、なんでフェノキシドイオンを用いるかに関してですが、CO2は通常であれば電荷に偏りがありませんが、図のように一瞬だけ正と負の電荷が共存しています。
共存している正電荷がベンゼンのπ電子に攻撃できるかと思いますが、一瞬だけのためすぐに中性に戻ってしまいます。
これでは反応できません。そこで、最強のフェノキシドイオンを使っているのです。だから、サリチル酸の反応は無理矢理反応させているのです。