ベクトルの外積について 原理と本質の理解

物理数学

こんにちは。Horyです。

前回の記事では物理の重要事項としてスカラー量とベクトル量について簡単に解説すると共に、高校で習うベクトルを用いた計算について解説しました。

今回の記事では高校では習わないベクトルを用いた計算方法であるベクトルの外積について簡単に解説します。

外積は高校では習わないものの、物理では非常に重要な要素なので今回の記事で習得できるとグッドです。

今回も頑張りましょう。

ベクトルの外積とは・・・

まず、外積ベクトルとは、任意の平面上にある2つのベクトルに垂直なベクトルのことです。

以下に図を示します。

ベクトルAとベクトルBの外積はベクトルCです。外積とベクトルCの大きさは以下のように表せます。

上の式から・・・

  • 向き・・・ネジをベクトルAからベクトルBに回すときにネジが進む向き
  • 絶対値・・・2つのベクトルがなす平行四辺形の面積(上の図の黒い斜線部の面積)。

外積により得られたベクトルの向きと絶対値については上のことを必ず頭に入れておいてください。

外積を座標成分で書くと以下のように表すことができます(これについては計算方法を覚えるしかないです)。

上の計算方法のように成分表示できます。これは本当に覚えるしかないです(問題とか計算とかをたくさんやって慣れるしかない)。

外積の性質

ベクトルの外積に関する重要な性質です。

3つのベクトルを以下のように設定します。

以下のことを考えます。

  • 順序入れ替え
  • 分配
  • 外積のスカラー倍
  • 単位ベクトル(大きさ1のベクトル)の外積

これらについて考えます。

順序入れ替え

まずは、外積の順序入れ替えについてデス。

上のことが成立します。内積は順序を入れ替えても一致します。しかし、外積については順序を入れ替えたら違うベクトルになるので無闇に順番を入れ替えてはいけません!

分配

外積における分配則についてデス。

このように外積についても分配法則が成立します。

外積のスカラー倍

続いて外積のスカラー倍です。kを実数とします。

単位ベクトルの外積

単位ベクトルとは大きさが1のベクトルです。各軸に平行な単位ベクトルを以下のように定義します。

これら3つのベクトルについて考えます。

まぁ、考えてみれば当たり前です。

ベクトルの外積により得られるベクトルの大きさは2つのベクトルの平行四辺形に等しいですから(上の例で平行四辺形はできません。図における角度0°⇔sin0°=0)

ベクトル三重積

ベクトル三重積についてデス。これも外積の重要要素の1つです。

ポイントだけ解説するので以下の式を自分で証明してみてください。

ベクトル三重積とはベクトルの内積と外積を組み合わせてできる公式です。上の赤い部分を成分表示して証明します。

計算する前に計算によって得られる量がベクトル量かスカラー量かを考えないと行けないです。以下は手順です

  • ①ベクトルBとベクトルCの外積を成分表示・・・外積はベクトル
  • ②外積によって得られたベクトルとベクトルAを内積
  • ③ベクトルの内積はスカラー・・・計算する量はスカラーだ!

上の手順を用いて自分で計算して公式を証明してみてください。

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