ヘスの法則と熱化学方程式 エネルギー図と問題

理論化学

こんにちは。Horyです。

前回の記事では熱化学方程式に関して・・・

旧課程と新課程の違いを簡単に解説するとともに、様々な化学反応を熱化学方程式で表しました。

また、エネルギー図が非常に大切になることも話しました。

今回の記事では、熱化学方程式で重要なヘスの法則を解説するとともに、エネルギー図やヘスの法則を用いた問題を紹介します。

今回も頑張りましょう。

ヘスの法則

ヘスの法則とは「化学反応の経路によらず、生成前後の物質が同じ(反応の始点と終点が同じ)なら、やり取りする熱は一定」という法則です。

簡単な例を示すと、水に関する以下の二つの反応を考えます。

  • 氷→水→水蒸気 (固体→液体→気体)
  • 氷→水蒸気 (固体→気体)
  • 両者での熱量は同じ

これをエネルギー図で示すと・・・

以上に示すように反応の始点と終点が同じであればやり取りする熱量は変化しません。これがヘスの法則です。

実際にこれがどういう風に役立つか問題で実践します。

問題1 一酸化炭素の生成熱

一酸化炭素の生成熱を求めます。

ただし、二酸化炭素、一酸化炭素の燃焼熱は以下のように示します。

ここで、二つの反応を考えます。

  • 反応1;炭素を燃やして一気に二酸化炭素にする
  • 反応2;炭素を燃やして一酸化炭素にして二酸化炭素に
  • 二つの反応の始点と終点は同じ

エネルギー図を書くのは自習にします。頑張ってください。

問題2 有機物の燃焼

有機物の燃焼に関する問題です。炭素と炭素が二重結合する結合エネルギーを求めてください。

ここで、反応を二つに分けます。

エチレンの生成熱Q1を求めます。エネルギー図とヘスの法則より・・・

続いて、炭素二重結合の結合エネルギーを求めます。図とヘスの法則より・・・

以上により求めることができました。

問題3 ボルン・ハーバーサイクルと格子エネルギー

格子エネルギーに関する問題です。化学式がAB2で表されるイオン結晶の格子エネルギーを求めます。

ただし、以下の5つを自分で設定して表すこと

  • AB2の生成熱
  • 固体のAの昇華熱
  • 気体のAを2価の陽イオンにするのに必要なエネルギー
  • B2の結合エネルギー
  • 気体のBの電子親和力

まぁ、上から順に熱をa,b,c,d,E(>0)と仮定して熱化学方程式を書いてみます。

上の式について、「左辺→右辺」にエネルギーが「低い→高い」です。

さて、エネルギー図に書いてみましょう。

エネルギー図とヘスの法則より・・・

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