ネイピア数eが2.64と2.78の間にあることの証明

数Ⅲ積分

こんにちは。Horyです。

前回は積分による不等式の証明方法に関する記事を書きました。

今回の記事ではネイピア数eが2.64と2.78の間にある数ということを証明する問題に取り組みます。

積分による評価を用いる非常に良い問題です。頑張りましょう。

ネイピア数eが2.64と2.78の間であることの証明

以下はネイピア数が2.64と2.78の間にあることを積分により証明する問題です。

この問題を例に取り組みます。頑張りましょう。

不等式の証明

まずは、題意の不等式を証明します。

基本的に、このような不等式は「差を取る⇒微分⇒増減表」を使うと左の不等式は解けますが、右の不等式は難しいです。

こんな時はグラフを描いて考えてみます。

  • 青い実線・・・関数e^x
  • 赤い実線・・・関数e^xの(0,1)における接線
  • 緑の実線・・・関数e^xの(0,1)と(a,e^a)を結んだ弦

これらで、赤い実線緑の実線方程式をそれぞれ求めてみましょう。

グラフから大小関係を考えれば不等式が成立するのは明らかです。

2.64<e<2.78の証明

この不等式を利用してネイピア数が2.64より大きく、2.78より小さいことを証明します。

試しに、「a=1」として「0≦x≦1」の範囲で積分を行ってみましょう。

この方法を用いればネイピア数が2.5より大きいことは示せますが、2.64より大きく、2.78より小さいことは示せません。前回の記事でも言いましたが、以下の2つを用います。

  • 分割幅を細かくする (評価を厳しく)
  • 評価を厳しくした上で積分する

次は、「a=1/2」で評価を行います。

ここで、上の不等式の右辺に注目します(最右辺のネイピア数をなんとかして消したい)。

よって不等式の最右辺からネイピア数を消すことに成功しました。

やりました!ネイピア数が2.64より大きく、2.78より小さいことを証明できました。

e^xの多項式近似

e^xの多項式近似を行います。繰り返し積分することで好きな次数で評価できることが最大のポイントです。

これを無限回繰り返すとe^xのマクローリン展開が完成します。

マクローリン展開の記事はこちらです。

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