オリゴ糖と多糖の基本的性質 還元性があるかないかの判断

天然有機物

こんにちは。Horyです。

前回の記事では高校化学で登場する5種類の二糖をまとめました。

今回の記事ではオリゴ糖と多糖の基本的な性質をまとめると共に、計算で役立つ分子量の捉え方や還元性の有無を原理から考えていこうと思います。

今回も頑張りましょう。

オリゴ糖と多糖の基本情報

オリゴ糖と多糖の基本情報をまとめます。

  • オリゴ糖・・・単糖が3~20個縮合した物質
  • 多糖・・・数百から数千の単糖が縮合した物質

以上が基本情報になります。以下のことを個別にまとめたいと思います。

  • 分子構造から見た分子量
  • 還元性の有無

分子構造から考察する

まずは、オリゴ糖や多糖の分子構造を図で示します(六炭糖のグルコースを例にする)。

上の図のnの値が3~20であればオリゴ糖で、数百から数千であれば多糖になります。

ここで、分子量を考えます。

  • 六炭糖の分子式はC6(H2O)6 = 180 g/mol
  • 青い部分・・・C6(H2O)6 – H2O = C6H10O5 =180 – 18 =162 g/mol

ここで、青い括弧で挟まれていないHとOHに関して解説します。

  • オリゴ糖の場合;nが3~20個でHとOHを無視できない
  • 多糖の場合;nが数百から数千でHとOHは無視
  • オリゴ糖の場合
    • 分子量;162n + 18 [g/mol]
    • OHの数;3n + 2 [個] (+2は上図の緑の枠_両端を考える)
  • 多糖の場合 (両端のHとOHを無視)
    • 分子量;162n [g/mol]  
    • OHの数;3n [個]

そして、還元性の有無についてです。

還元性に関してはヘミアセタール構造が残っているか否かということを以下の記事でも解説しました。

二糖の記事でも解説しましたし、考えてみても分かると思うのですが、単糖と単糖の連結部にヘミアセタール構造はありません。

そのため、ヘミアセタール構造が残るのは端っこの一カ所のみとなります。

  • オリゴ糖
    • nが3~20で端っこのOHを無視できない
    • 還元性を考慮する必要あり (場合による_問題文の指示に従う)
  • 多糖
    • nが数百~数千で端っこのOHを無視できる
    • 還元性はないと見なして良い
    • (数百から数千あってヘミアセタール構造はたった1つ)

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