こんにちは。Horyです。
今回の記事ではエチレンとプロペンの工業的利用法をまとめると共に、これに関して登場する官能基について簡単に解説しようと思います。
今回も頑張りましょう。
官能基の紹介
本記事で出てくる化合物の官能基に関して紹介します。
官能基は以下の通りです。
- 脂肪族+ヒドロキシ基=アルコール
- エーテル結合
- アルデヒド基
- カルボキシ基
- カルボニル基=ケトン
- エステル結合
上の中で今回の記事では4種類が登場します。以下に図を示します。

Rは炭化水素だと思ってください。
注意しないといけないのは芳香族にヒドロキシ基が付くとフェノールと呼ばれる化合物になります。これは、アルコールではありません(性質が全く違う)。
官能基に関して覚え方はありません。気合いで覚えてください。
官能基の名称を覚えると共に、その官能基が付いた有機化合物の名称もセットで必ず覚えてください。
石油の工業的利用法 (石油化学工業)
前回の記事でアルカンと石油の話をしたと思います。
石油の分留で炭素数により分けられることを話しましたが、以下のように分けられます。
- 石油の分留
- C=1~4・・・ガス→液化→エチレン・プロペン (石油工業化学)
- C=5~10・・・ナフサ
- C=10~14・・・灯油
- C=14~18・・・軽油
- C≧18・・・重油
重要なのはこの中のナフサと呼ばれる化合物です。
炭素数が5~10のアルカンですが、これを熱分解すると結合がブチブチ切れます。
これによりエチレンとプロペンが生成されて、これを利用することが高校化学での石油化学工業と呼ばれているモノです。
エチレンの工業的利用法
エチレンの工業的利用法を簡単にまとめます。
- エチレンに水の付加→エタノールの生成 (アルコール)
- エチレンに酸素→エチレンオキシドの生成 (常温・常圧では一瞬だけ)
- →水素の転移・・・アセトアルデヒド (アルデヒド)
- →さらに酸化・・・酢酸 (カルボン酸)
- エチレンに酸素→エチレンオキシドの生成
- 加水分解→エチレングリコール
- エチレンの付加重合→ポリエチレン

アルケンへの付加反応や付加重合に関しては以下の記事をご覧ください。
反応の原理などは別の記事で詳しく解説します。
プロペンの工業的利用法
プロペンの工業的利用法について簡単に解説します。
- プロペンに水の付加
- →1-プロパノール (ほとんどできない)
- →2-プロパノール (たくさんできる)
- プロペンに酸素の反応→アセトン
- プロペンが付加重合→ポリプロピレン
