こんんちは。Horyです。
前回の記事では炭素の数が4~6のアルカンの構造決定法をまとめました。
今回の記事ではアルケンやシクロアルカンの構造決定法をまとめます。
アルケン・シクロアルカンは不飽和度が1の有機化合物ですが、詳しくはこちらの記事を読んでみてください(読んだ前提で話が進むので読んでいないと内容が分からなくなります)。
今回も頑張りましょう。
アルケン・シクロアルカンの命名法
アルカンの命名法はギリシャ語の数字の数え方を踏襲していることを話しましたが、アルケンやシクロアルカンも同じです。

- アルケン・・・二重結合は炭素数2から・・・エチレンから
- シクロアルカン・・・命名はアルカン名の前に「シクロ」をつける/環は炭素数3から
アルケンの命名法も覚え方はないですが規則性があると思います。頑張って覚えましょう。
構造決定手順
以下の順で構造決定手順を紹介します。
- アルケンの構造決定手順
- シクロアルカンの構造決定手順
アルケンの場合はアルカンよりもずっと難しいので頑張ってください。
アルケンの構造決定手順
アルケンの構造決定手順を解説します。
- ①;化学式から不飽和度の計算 (必ずやれ!)
- ②;炭素の繋がり(骨格)をアルカンで考える (同一人物に気をつけろ!)
- ③;②で考えたアルカンの繋がりのどこを二重結合にするか考える
- ④;命名法を考える (幾何異性体に注意せよ)
命名ルールや置換基については前回の記事で紹介したので今回は省きます。
幾何異性体についてはこちらの記事です。
ちなみに、前回の記事で書き忘れていましたが、有機化合物の名称に数字が入る意味ですが・・・
- 置換基はどの炭素についていますか? (左からor右から数えるかはどっちでも良い)
- 二重結合はどの結合ですか?(左からor右から数えるかはどっちでも良い)
シクロアルカンの構造決定手順
シクロアルカンの構造決定手順を解説します。アルケンよりも簡単です。
- ①;化学式から不飽和度の計算 (必ずやれ!)
- ②;炭素が何個で環を構成しているかを考える (環を作るには最低でも炭素が3つ必要)
- ③;環を構成しない炭素(置換基)の配置方法
- ④;命名法を考える
アルケン/シクロアルカンの構造決定
アルケン/シクロアルカンの構造決定を行います。
今回は以下の化学式で示すアルケン/シクロアルカンです。
- C3H6
- C4H10
- C5H12
不飽和度を計算します。計算方法はこちらの記事です。

不飽和度が1であるので、二重結合を1つもつか環を1つもつ構造をしています。
ちなみに、炭素数が3~5が入試で最も出ると私は考えています(というのも、炭素数が6以上だと異性体の数が非常に多くなるためです。ただ、条件付きで出るかもしれないので考えてみても良いかもしれないです)。
C3H6の構造について
一番簡単な物になります。異性体は2つしかありません。

二重結合の二本目(π結合)については赤線で記述します。
C4H8の構造について
アルケンについてはこの辺からちょっと難しくなります。
何故なら幾何異性体が存在するからです。アルケンとシクロアルカンで分けて記載します。


C5H10の構造について
枝分かれの構造が増えると共に難しさも増大します。


★マークは光学異性体の不斉炭素原子です(問題文に記述がない場合でも幾何異性体や不斉炭素原子は積極的に示すべきです)。