「対偶法」_範囲の限定

数と式

こんにちは。horyです。

数学で直接的な証明ができないとき、間接的に証明する手法の一つとして「対偶法」というやり方があります。

今回は「対偶法」を用いる問題の特徴や、条件を否定して考えることの利点などを中心に記事をまとめました。

対偶法の前に

対偶法について学ぶ前に、以下のことは押さえておくと良いです。

条件の否定

条件Pについて、「Pでない」と言うことをPの否定と約束すると、以下のように表せます。

以下で様々な条件を否定してみます。

「または」→「かつ」は「和集合」→「共通部分」
「少なくとも一つ」→「全くない」は「和集合」→「補集合」

とできるので、場合によっては「範囲の限定」が行えることで、考える範囲を狭めることができます。

命題の逆・裏・対偶

命題「PならばQ」について、逆・裏・対偶は以下の通りです。

ここで、重要なのが「対偶と元の命題の真偽が一致する」ということです。

厳密な証明については大学の論理学という分野になるためここでは省きます。

対偶法

対偶法とは、「PならばQ」であることを証明する問題の時、直接的に証明が難しい場合に用います。

「対偶と元の命題の真偽が一致する」ことを利用して、対偶の真偽を確かめることで間接的に命題の真偽を判定する方法です。

条件に「または」「少なくとも一つ」が入っている場合に有効です。

以下は問題です。

この問題を例に対偶法を理解しましょう。

問題を解く前のポイント

問題を解く前の手順を以下にまとめました。

対偶法が使えそうかどうか

問題を解く前に対偶法が使えそうかどうかを判断します。

この問題であれば・・・

  • 直接的に証明するのは難しそう
  • 「ならば」が命題の中にある
  • 「少なくとも一つは」が命題の中にある

以上から対偶法を用いるのが有効そうです。

対偶を考える

この命題の対偶を取ると以下のようになります。

ポイントは「少なくとも一つは無理数」→「無理数は全くない」→「共に有理数」となったことで考える範囲が限定されたことです。

問題を解く

以下は本問の解答・解説です。

まとめ

今回は「対偶法」を用いる問題の特徴や、条件を否定して考えることの利点などを中心に記事をまとめました。

まとめると以下の通りです。

  • 「~ならば~」という問題で直接的な証明が難しいなら対偶法
  • 考える範囲を限定できる

これで「対偶」を用いた証明のキホンは押さえることができたと思います。

それでは、次回の記事でまたお会いしましょう。

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