「円順列」と「数珠順列」の違い

場合の数

こんにちは。horyです。

数学の順列に「円順列」と「数珠順列」というものがあります。

今回の記事では、この二つの基本事項の理解と攻略を具体的な問題を解きつつ説明し、両者の違いを簡単にまとめました。

必要なら「順列・組合わせ_押さえるべきポイント」の記事を読んでおくことをお勧めします。

円順列

まず、円順列とは、以下のような順列のことです。

モノを円形に並べた配列を円順列といい、異なるn個のものの円順列は、回転させると一致する配列は同じとみなせるので・・・

n個の円順列・・・(n-1)! 通り

証明

何故、上のように表すことができるのか証明します。

簡単のため、n=4として、4人(a, b, c, d)を円形に並べる円順列で説明します。
(もちろん。回転させて一致するものは同じです)

まず、以下の4つの並び方を見てください。

上の4つの並び方は回転を許すと同じ並び方になります。

分かりにくければ、以下の図を見ていただきたいです。

考え方として、円順列では順列で文字を左にずらすと一致するということです。

なので、abcd, dabc, cdab, bcdaは一致します。

これは、場所の区別をなくしているというように考えても差し支えないです。

以上から端以外の3つで順列を考えるので、(4-1)! = 3! = 6通り になります。

以上からN人の場合は (N-1)! 通りです。

練習問題_円順列

以下は円順列の練習問題です。実際に手を動かして解いてみましょう。

(1)の解答・解説

解放1(円順列の考え方)

解放2(順列の考え方)

この解き方について、6で割ることで6つの場所の区別をなくしています。

(2)の解答・解説

解放1(円順列の考え方)

2を掛けている理由は辺の左右での入れ替えを考慮しているためです。

解放2(順列の考え方)

以下の図を見ていただきたいです。

上記の4つの並び方は回転して一致するため、一通りとみなせます。

この解き方について、4で割ることで4つの辺の区別をなくしています。

数珠順列

数珠順列は円順列の応用です。

円順列の回転させて一致する並び方を1通りとするという考え方はもちろん用います。

それ以上に注意してほしいのが、裏返して同じものになるときです。

なので、図形に対称性があるものそうでないもので分ける必要があります。

実際に問題をやってみた方が分かりやすいと思うので、以下は問題です。

問題_数珠順列

上の問題を例に解説します。

問題を解く前に

まず、問題を解く前に、数が少ない玉の配置から場合分けを考えます。

本問であれば以下の図のような場合分けが考えられます。

今回は青と黄色が同じ数ずつあるので、どちらを固定するかは好みでいいですが、青の配置を考えます。

上の(ⅰ)~(ⅳ)の配置のうち、(ⅰ)~(ⅲ)は対称性がないので裏返しても同じ図形にはなりません。

一方で、(ⅳ)の配置は対称性があるので裏返すと同じ図形になる配置が存在します。

裏返すと同じになる配置は以下の通りです

裏返しても回転すれば同じになります。以下の図をご覧ください。

問題を解く前にこのように考えられていることが必須です。

問題を解く

以下は本問の解答解説です。

手順ごとに分けて個別に解説します。

(ⅰ)~(ⅲ)の場合の数

青を除く6か所のうち黄色をおく二か所を選びます。

青の配置が(ⅰ)~(ⅲ)の3通りあるので・・・場合の数は以下の通りです。

(ⅳ)の場合の数

15通りのうち、3通りは裏返すと同じ配置になります。

残りの12通りは裏返しても同じ配置になりません。

残りの12通りは裏返しても回転すれば同じになるので・・・

解答

(ⅰ)~(ⅳ)で求めた値の和より・・・

答えは45+9=54 通りです。

まとめ

今回の記事では、この二つの基本事項の理解と攻略を具体的な問題を解きつつ説明し、両者の違いを簡単にまとめました。

今回のポイントをまとめると以下の通りです。

  • 円順列・・・回転して同じものになるとき、それを1通りとして数える
  • 数珠順列・・・裏返して同じものになるとき、それを1通りとして数える

「数珠順列」は勘違いしている学生をよく見ます。正しい理解をみにつけてください。

また、本問の「数珠順列」は「同じものを含む順列」の考え方を用いても解けそうです。

「同じものを含む順列」の記事はこちらです。

それでは、またお会いしましょう。

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