こんにちは。horyです。
高校数学で多くの人がつまずく分野が三角比・三角関数です。
「sin・cos・tanって何?」や「たくさんの公式が覚えられない」と言った声をよく聞きます。
そんな学生のために、今回はsin・cos・tan の定義と公式を原理からまとめました。
この記事を読んで理解することで暗記の負担は少なくなると思います。
私のブログでは角度を度数法ではなく弧度法で表します。
そのため、記事を読む前に以下の記事を必ず読んでおいてください。
三角比によるsin・cos・tanの定義
そもそも、三角比とは直角三角形における2辺の比のことです。
昔の人は「自分が持っている直角三角形」と「持っている直角三角形の影」を見て、「辺の長さが変わっても、相似であれば辺の比は変わらないのではないか」と考えました。
この考えがsin・cos・tanの始まりです。
三角比ではsin・cos・tanを次のように定義します。

有名角である「θ=30°=π/6」「θ=45°=π/4」「θ=60°=π/3」のsin・cos・tanは覚えるべきです。

この方法は「0<θ<π/2」(0°より大きく90°より小さい角)は定義することはできますが・・・
90°より大きい角やマイナスの角度を定義することができないという欠陥があります。
この欠陥を打開する画期的な方法が三角関数です。
三角関数によるsin・cos・tanの定義
最初に次の図を見ていただきたいです。

ずばり、上記のような単位円でのsin・cos・tanの定義は以下の通りです。
- sinθ・・・A’の「y座標」
- cosθ・・・A’の「x座標」
- tanθ・・・直線OA’の傾き
これを中心が原点で半径rの円に拡張すると・・・

sin・cos・tanは基本的に全ての角度を定義できる三角関数で考えた方が良いです。
sin・cos・tanの相互関係
以下はsin・cos・tanの頭に入れておかなければならない3つの公式です。

以下に①~③が何故そうなるかの説明を記載します。
①について
単位円の方程式は上の図のA’の座標をA’(x,y)とおくと三平方の定理より・・・

②について
OA’の傾きを求めてみます。

③について
②をもちいて通分→①の利用により求めれます。

「-θ」「π-θ」「π+θ」の公式
三角関数の定義を用いれば公式を覚える必要はありません。
A’(sinθ,cosθ)を第一象限の点と考えたとき、「-θ」「π-θ」「π+θ」がどこにあるのかを考えれば良いだけです。
A’が第一象限でなくても成り立ちます。
(今回は簡単のため第一象限とします)
余談ですが、一回転すると元に戻るのでnを整数として「θ±2nπ」は触れません。
また、「θ=0・π/2・π・3π/2・2π」については座標を考えて・・・

「-θ」の公式
「sin(-θ)」「cos(-θ)」「tan(-θ)」についてです。
以下の図を見ていただきたいです。

「x軸について対称」と考えれば良いです。
これを考えると・・・

「π-θ」の公式
「sin(π-θ)」「cos(π-θ)」「tan(π-θ)」についてです。
以下の図を見ていただきたいです。

「y軸について対称」と考えれば良いです。

「π+θ」の公式
「sin(π+θ)」「cos(π+θ)」「tan(π+θ)」についてです。
以下の図を見ていただきたいです。

原点について対称と考えれば良いです。

まとめ
今回はsin・cos・tan の定義と公式を原理からまとめました。
今回のポイントをまとめます。
- sin, cos, tanは三角関数で考えろ
- sinは単位円上の点のx座標
- cosは単位円上の点のy座標
- tanは直線の傾き
- 座標がどこになるのか常に意識せよ
今回は「-θ」「π-θ」「π+θ」について触れました。
「90°=π/2」に関してはちょっと複雑でこの記事に全てをまとめると消化不良を起こすと思うので次の記事にまとめます。